近年、ワーキングホリデーは若者の間で人気のある海外経験の一つです。異文化に触れながら仕事ができ、旅行も楽しめるという点で魅力的に見えますが、実際に「儲かる」のかどうかは気になるところです。留学や語学学校とは違い、ワーキングホリデーは「働きながら遊べる」という利点がある反面、労働環境や生活費、給与の面での現実もあります。今回は、ワーキングホリデーを通じて本当に「儲かる」のか、また、どんなメリットやデメリットがあるのかについて詳しく航空券や旅行のエースが解説していきます。

1. ワーキングホリデーとは？

まず、ワーキングホリデーの基本についておさらいしておきましょう。ワーキングホリデーとは、主に18歳から30歳（国によっては35歳まで）の若者が、滞在先の国で働きながら旅行できるビザ制度です。最も人気がある国はオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリス、アイルランドなどですが、各国には異なる条件や規制があります。

1.1 ワーキングホリデーの基本条件

• ビザの期間：通常、1年間が一般的ですが、国によっては延長が可能な場合もあります（オーストラリアでは農業などの特定の仕事を一定期間行うと、2年目のビザを取得可能）。
• 働ける職種：農業、接客業、レストランスタッフ、ホテル業務など、短期間でできる仕事が主流です。
• 給与：最低賃金が設定されている国がほとんどです。例えば、オーストラリアやカナダでは最低賃金が設定されており、1時間あたりの収入が決まっています。

2. ワーキングホリデーのメリット

ワーキングホリデーには、単なる「お金を稼ぐ」以上の多くのメリットがあります。

2.1 異文化交流と語学力向上

ワーキングホリデーで最も得られるメリットの一つは、異文化交流です。現地の人々と仕事を通じて接することで、文化理解が深まります。また、語学力の向上にも大きく貢献します。特に、英語圏の国で働く場合、日常的に英語を使うことになりますので、語学学校に通うよりも実践的な学びが得られることが多いです。

2.2 旅行と生活のバランス

ワーキングホリデーの最大の魅力は、働きながら旅行できる点です。短期の仕事をしてお金を稼ぎ、余った時間を使って観光や旅行を楽しむことができます。例えば、オーストラリアでは都市間を移動して、農業の仕事をしながら、休日にはビーチや自然を満喫することが可能です。

2.3 経済的に自立できる

ワーキングホリデーでは、滞在中の生活費を現地で稼ぐことができます。たとえば、オーストラリアでは、ファームジョブやレストランでの仕事が人気です。これらの仕事は、最低賃金以上の収入を得ることができる場合が多く、宿泊費や食費を工面しながら、余暇を楽しむことも可能です。

2.4 就職活動やキャリアにプラス

海外での仕事経験は、履歴書に書ける立派な実績となります。ワーキングホリデーで得た経験やスキルは、今後のキャリアに活かすことができ、特に国際的な企業で働く際には強みとなることが多いです。

3. ワーキングホリデーで「儲かる」のか？

では、実際にワーキングホリデーでどれくらい儲かるのでしょうか？「儲ける」という観点で考えると、いくつかのポイントがあります。

3.1 収入の現実

ワーキングホリデー中に得られる収入は、国や業種によって異なりますが、最低賃金で働くことが一般的です。たとえば、オーストラリアでは最低賃金は時給約20オーストラリアドル（2023年時点）です。この金額で週に40時間働いた場合、1週間で800オーストラリアドル（約6万円）を稼ぐことができます。

ただし、実際の収入は次の要素に影響されます：

• 職種：高収入が期待できるのは、建設業や特定の技術職など。一方、農業や接客業は最低賃金が適用されることが多いです。
• 場所：都市部のほうが仕事の数や賃金が高い傾向がありますが、物価も高いです。田舎では、賃金が低い場合がありますが、生活費は安く済むことが多いです。

3.2 生活費の問題

生活費も重要なポイントです。都市部では家賃や食費が高く、例えばシドニーやメルボルンでは、シェアハウスに住む場合でも月々1000～1500オーストラリアドル（約10万円～15万円）ほどかかることが一般的です。一方、田舎では家賃が安く、収入の大半を貯金に回せる場合もありますが、その分仕事の機会が限られている場合があります。

3.3 実際に貯金はできる？

「儲かるか？」という点では、ワーキングホリデーで得られるお金は、生活費を稼いだり、旅行費用を工面するための手段となることが多いです。十分に貯金をしたり、収入を得るためには、長時間働く必要がある場合もあります。

例えば、1年間のワーキングホリデーで貯金をしたい場合、生活費を除いた収入をどう使うかが鍵となります。食費や娯楽費を削減し、できるだけ節約すれば、帰国時に数千ドルの貯金をすることも可能です。ただし、旅行や生活を楽しみながら働くことが目的であるため、あまり無理をして稼ぐことが第一の目的にはなりにくいです。

4. ワーキングホリデーのデメリット

4.1 仕事の安定性が低い

ワーキングホリデーの仕事は短期契約が多く、安定性に欠ける場合があります。特に、農業やレストラン業など、需要に合わせて仕事の期間や時間が変動することがあります。そのため、長期間安定して働きたい場合には、仕事を見つけるのに時間がかかることもあります。

4.2 体力的に厳しい仕事も多い

農業や建設現場など、肉体的にハードな仕事を選んだ場合、体力的な負担が大きくなることもあります。特に、長時間の立ち仕事や肉体労働を続けることは、体力に自信がない人にとっては大変なことです。

4.3 給与と生活費のバランス

通常の賃金の仕事をしていると、税金や交通費が思う以上に高いので、生活費や居住費を引いた後、手元に残るお金が少なくなる可能性があります。場合によっては、思う以上に、貯金が難しいこともあります。良い仕事を得るためには、高度な英語力と、生活力が必要なことはいうまでもありません。